暖かく無関心なホットする人(P君) 603話

 午後8時、D君は言った。「そろそろ帰ろうと思います。おやすみなさい。」彼は家を
出てインプレッサに乗り込みエンジンを掛けた。
 午後8時5分、車の中で彼は思った。「リカちゃんの父親にカレーを気に入ってもらえて良かったが、この心臓のドキドキ感は何なんだ。リカちゃんの母親だとそんなに緊張
しないのに、父親だと緊張する、たぶん今の血圧は170ぐらいだろう。今度わすれないで
イオンで血圧計を買おう。どうせまた、このままだと眠れないので、TUTAYAに寄って
から帰ろう。」
 午後8時15分、彼はTUTAYAに着いた。店に入るとマンガコーナーに向かった。
そこで彼は途中まで読んだ「東京タラレバ娘」の続きを読んだ。読みながら、結局
このタラレバさん達はどうなりたいのだろうか?と思った。この井戸端会議が楽しいのなら、10年後もこのままだろう。と、KEYみたいに思った。こういう人を何人も知っている。KEYみたいに面と向かって言えればいいけど、なかなか言えない。「あなた自身は
どうなりたいのですか?」と、「行先が決まらなければ、そこに行く事は不可能だ。」


                                   つづく