暖かく無関心なホットする人(P君) 523話

 午後2時15分、彼らはD君のアパートに着いた。アパートは2階建て、壁の色はベージュ
屋根は黒だった。D君の部屋は2階の一番奥の204号室。D君がカギを開けると彼らは
部屋に入った。「この入口は北側だよ。で、キッチンでしょ、その横がお風呂場で、
こっちがトイレ、奥に6畳の畳の部屋が2つ並んでいる、で窓を開ければベランダがある
。」「なるほどね。」「日当たりがいいでしょ。あんまり家具にこだわらなかったから
、これと言って高い家具はないよ。でもリカちゃんの家に行って見て、いいなあ将来、
自分もこんな家に住みたいなと思ったよ。リカちゃんのお父さんと趣味が合うかもね。」
「もし、よかったら今晩また家で夕食を食べて行かない。そうすれば家具選びの参考になるから。」「えっ、いいの?」「もちろん。」「じゃあ、お言葉に甘えて。」「ちょっと
家に電話してみる。」「ブルルル、ブルルル、はい加藤です。」「ママ、今、教会の
OOさんと家具とか選んでいるんだけど、家に帰る時D君も一緒に夕食を食べていいかな
?彼、家のインテリアが気に入っちゃって、居心地がいい家だってべた惚れなの、
アメリカンな家具が気に入っているみたいなの。お父さんと趣味が合うって。」
「それは嬉しい。ぜひOOさんも夕食に誘って。」
「どうだった。」「ママ、すごく喜んでいた。ぜひOOさんも夕食を食べて下さい。」
だって。
                                 つづく