暖かく無関心なホッとする人(P君)4282話

9:55    「正樹の一人クリスマス(クロスロード)」第91話


 正樹は続けてマタイによる福音書25-14から読み出した。   天の御国は、しもべたちを呼んで、自分の財産を預け旅に出て行く人のようです。彼はおのおのその能力に応じて、
ひとりには5タラント、ひとりには2タラント、もうひとりには1タラントを渡し、それから
旅に出かけた。(1タラントは6000デナリ、1デナリは当時のイスラエルの労働者1日の賃金
。仮に1デナリを1万円で計算すると、1タラントは今の日本の円に換算すると6000万円にも
なる。)
 5タラント(3億円)預かった者は、すぐに行って、それで商売をして、さらに5タラント
もうけた。同様に、2タラント(1億2000万円)預かった者も、さらに2タラントもうけた
ところが、1タラント(6000万円)預かった者は、出て行くと、地を掘って、その主人の金
を隠した。--------さて、よほどたってから、しもべたちの主人が帰ってきて、
彼らと清算した。すると、5タラント預かった者が来て、もう5タラント差し出して言った。
「ご主人さま。私に5タラント預けてくださいましたがご覧ください。私はさらに5タラント
もうけました。」その主人は彼に言った。「よくやった。良い忠実なしもべだ。あなたは、
わずかな物に忠実だったから、私はあなたにたくさんの物を任せよう。主人の喜びを共に
喜んでくれ。」 2タラントの者も来て言った。「ご主人さま。私は2タラント預かりましたがご覧ください。さらに2タラントもうけました。」その主人は彼に言った。「よくやった
。良い忠実なしもべだ。あなたは、わずかな物に忠実だったから、私はあなたにたくさんの
物を任せよう。主人の喜びを共に喜んでくれ。」  ところが1タラント預かっていた者も来て言った。「ご主人さま、あなたは蒔かない所から刈り取り、散らさない所から集める
ひどい方だとわかっていました。私はこわくなり出て行って、あなたの1タラントを地の中
に隠しておきました。さあどうぞ、これがあなたの物です。」ところが主人は彼に答えて言った。「悪い怠け者のしもべだ。私が蒔かない所から刈り取り、散らさない所から集めることを知っていたというのか?(これは彼の勝手な想像だった。)だったら、お前はその私の
金を、銀行に預けておくべきだった。そうすれば私は帰って来たときに、利息がついて返してもらえたのだ。(この時代のイスラエルの利息が何%であったかは知らないが、仮に利息
が1%としたら、1タラント(6000万円)は利息が60万円にもなる。それよりこの人は6千万
もの大金を預かっておきながら、何の商売もしなかったのが理解できない。)
だから、そのタラントを彼から取り上げて、それを10タラント持っている者にやりなさい
。」誰でも持っている者は、与えられて豊かになり、持たない者は、持っているものまでも
取り上げられるのです。役に立たぬしもべは、外の暗闇に追い出しなさい。そこで泣いて
歯ぎしりするのです。
                                     つづく