暖かく無関心なホッとする人(P君)3924話

20;25 「正樹の一人クリスマス(クロスロード)」第5話


 正樹がインターネットで調べていくと、どうやらローマ帝国が政治上の理由で
勝手に12/25をイエス・キリストの誕生日に設定したようだ。ローマ帝国がまだキリスト教を国教にしていなかった頃、当時は多神教だった。中でも大きい勢力を持っていたミトラ教
に影響されていた。ミトラ教では冬至は太陽神を祭り12/25は重要な日だった。それで皇帝は12/25をイエス。キリストの誕生日と勝手に決めてしまった。(新約聖書を少しでも読めば、そんな馬鹿なことはあり得なかったが、皇帝は少しも読んでいなかったから馬鹿なことをしてしまった。)----
                             
 ここにきて正樹は肩の荷が下りたような気がした。みんなが有難がっている12/25は
とある馬鹿が勝手に決めつけた日なんだ。彼はその理由を知ったが、あえて誰にも教えない
ことにした。クリスチャンでもどれだけの人がそのことを知っているのかどうかわからない
?----
彼は夢中になっていたせいか、缶コーヒーをこぼしてしまった。その時は「もったいないことをした。」と思ったが、「待てよ、失敗は成功の基というから、次からこぼさないようにすればいいんだ。」「こぼしたから成功する方法にたどり着く」----
 リア充なクリスマスを今まで過ごさなかったから、本当のクリスマスの意味を探求できた
。リア充なクリスマスを過ごしている人はこんなことを少しも考えないだろう。


それにしても、おそらく世界中の誰でも知っているイエス・キリストとはいったい誰なんだろう?
                                     つづく


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D君は会社の後輩柳田君と高校時代の親友是枝君にこの自作小説「正樹の一人クリスマス」
をメールで送った。彼らにはどうしても伝道したかったが直接教会に誘うとどういうわけか
断るような気がした。(魚を釣るには細心の注意が必要。失敗すると警戒心が前より強くなってしまい、前より釣ることが難しくなる。チャンスは一回だけ。それでこの小説なら身が
まえないで読んでくれると思う。二人とも僕がクリスチャンだということは知っている。


                                    つづく