暖かく無関心なホットする人(P君) 93話

 四人が会堂に行くと、いつもの指定席が空いていたので、そこに座った。10時30分になると司会者が「皆さん、ご起立下さい。新聖歌OO番。」と言って礼拝が始まった。
今日のメッセージは創世記6章9節から8章のノアの物語だった。ノアの箱舟の縦横高さ
のバランスはコンピューターによると一番沈没しにくいバランスだそうだ。また箱舟と
いうように、これは普通の船のように航海して、どこかの港に行く事を目的としていない
。ただ海に浮かんでさえすれば良いのだから、箱のティッシュボックスのような形をしていた。これなら素人でも時間さえあれば造れる、と納得した。計算してみたら箱舟の全長は135m、幅は22.5m、高さは13.5mの三階建てのマンションをイメージすれば解りやすい。そんな巨大な建物みたいなものを素人、四人だけで造ったのだから、かなり時間が掛かっただろう、が神様は箱舟が完成するまで洪水を起こさなかった。
 そんなことを考えていたことを、創世記を読んでいたとき思っていた。今年になってから創世記ばかりのメッセージだ。それだけ創世記は大切だということか。
 礼拝が終わり桜井さんは後ろの席の二人に向かって、「お昼は何が食べたいですか?」
と聞いた。いつもガッキーが決めているせいか、今日はリカちゃんに向かって「里香は
何が食べたい?」と聞いた。リカちゃんは「ハンバーグ。」と言ったので、イオンの中の
洋食屋に行く事にした。


                                  つづく