暖かく無関心なホットする人(P君) 66話

 D君はアパートの外に出ると、階段から下りてからオーバーのフードを頭に被って、
インプレッサに乗った。手をこすり合わせ、息を「フー」と掛けた。インプレッサの
エンジンを掛けると、彼は思った。「大雪になれば、いいな。そうすれば明日の朝、
ガッキーのところに迎えに行ける。あっ、しまった。彼女たちの携帯の電話を聞いてなかった。もうそろそろ聞いてもいいんじゃないかな。」「そうだ。桜井さんだったら
知っていると思う。でもその桜井さんの携帯番号を聞いていなかった。」困った彼は
アパートに帰り、あの教会に電話して、桜井さんの電話番号を聞こうと思った。
 アパートに帰った彼は、電話帳で教会の電話番号を調べ、電話を掛けた。「ブルルル、
ブルルル、はいOO教会です。」「あのー、すみません、去年の教会のクリスマスから
毎週、教会に通っているOOと申します。桜井さんの電話番号を教えて頂けませんか?」
「あっ。OOさんでしたか。うれしいです。OO教会の牧師のOOと申します。覚えていますよ。毎朝OOさんのことを祈っていますよ。」「ありがとうございます。クリスマスからだいぶ時間がたっていますが、うっかりして教会の桜井さんの電話番号を聞き忘れました。桜井さんの電話番号を教えて頂けませんか?」「ええ、いいですよ。いいですか。」「はい、お願いします。」「電話番号はxx-xxxxです。携帯番号はxxx-xxxx-xxxxです。」「ありがとうございます。たすかりました。」「いいえ。ではまた明日。」
 D君はホッとしていた。早速、桜井さんの携帯に電話を掛けた。「ブルルル、ブルルル
はい、桜井です。」「すみません最近よく教会に行くOOです。」「ああ、OOさん。」
「すみません、電話番号を知りませんでしたので教会の牧師先生に聞きました。こんなこと桜井さんだから聞けるんですが、大雪で明日、青年会の河村さんと加藤さんが教会に
来るとき困ると思うので、インプレッサで迎えに行こうと思っているのですが、お二人の
連絡先を桜井さんだったら知っているかもと思い電話しました。」「そうですか。いいで
すよ。二人の携帯番号を知っていますから、いいですか、言いますよ。河村さんはxxx-xxxx-xxxx、加藤さんはxxx-xxxx-xxxxです。」「ありがとうございます。助かります。」
「いいえ、ではまた明日。」


                                  つづく