暖かく無関心なホッとする人(P君)2636話

 午後4時30分、Bさんは小説家だけあって文章の飲み込みがメチャクチャ早かった。
そのせいか1日に3冊ぐらいの本を読むことはざらにあった。夕飯まで時間があった
ので次は仏教の実態について書いてあった本を読むことにした。
 その本のはじめには、BC463年にシャカのことが書いてあった。(彼はネパールと
インドの国境近くに生まれた。彼の父親は、その地域の地方豪族だった。)彼は6年間の難行苦行の末、悟りを開いたとされる。(だが死後のことは何一つわからなかった。)
そして彼は80歳で死亡した。「ブッダ」とは悟りを開いた人という意味。
シャカの死後、次第に仏教はヒンズー教の影響を受けた。(当時その地域の多くの民衆が信じていた。)そして紀元前後に仏教の宗教改革が起きた。それは出家者が集まった
小乗仏教。と一般民衆の大乗仏教。小乗仏教にはお経がある。それはインドから始まってセイロンを通過して、タイ方面に伝わった。その宗教をひとことで言うと「自力」ということだ。誰も助けてくれない自分で努力するしかない。もう一つの大乗仏教には、お経がなかったので一般民衆が自分勝手に創作しはじめた。それはシルクロードを通過して中国の唐の時代に善導という僧侶(アミダブツの信仰を確立した。ナムアミダブツと唱える者は、アミダブツ(考え出される。)極楽浄土に行けるとされる。(考え出される。)
そんないいかげんな宗教が日本に伝わった。また多くの仏が考え出された。
 ここまで読んでBさんはあっけにとられた。「自分の家は大乗仏教だ。今まで
良く知りもしないでいたが、仏というのは本当は存在しないフィクションだ。そんな
いいかげんな宗教をこれまで信じていた自分が情けない。キリスト教の神の子イエス
は実在した神だ。」
                                   つづく