暖かく無関心なホッとする人(P君)2148話

 午後2時、聡は嬉しくて仕方なかった。檜山とリフトに乗るたびに思った。戸田恵梨香にそっくりの人とデートしてる、これは夢じゃないだろうかと何度も思った。でも夢じゃない。彼は次のデートの約束をしようと思ったが、これが僕の悪い癖だと思った。1対1
じゃなきゃデートじゃないと思うのは間違えだ。これも立派なデート。形にこだわるのは
よくない。「結果良ければ全てよし」に切り替えるんだ。大輔のアドバイスを思い出すんだ。好きですオーラを出さないということは、次のデートの約束をしないということだ。彼女に恋をさせなければいけない。ということは、ある意味Sのほうがいいんだ。彼女をじらしてじらして、彼女の方から誘わせるんだ。やってみよう。
智 「檜山は暇なとき、何をしてるの?」
檜山 「そうですね、映画を見に行ったり。ですかね。」
聡 「ひとりで?」
檜山 「そうです残念ながら。」
聡 「ふーん。」
檜山 「誘ってくれないんですか?」
聡 「今まで、何人の男性が檜山をデートに誘ったの?」
檜山 「数えたこと無いですけど、多分10人ぐらい。」
聡 「モテるんだね。で、どうしたの?」
檜山 「みんな断りました。えっ、どうして、私の方からデートに誘ってるのに?」
聡 「僕とデートしたい?」
檜山 「デートして下さい。」
聡 「いいよ。」
                                   つづく