暖かく無関心なホッとする人(P君)1167話

 午後5時35分、D君は会社の帰りコンビニに立ち寄った。🏪 🚙 去年までの彼なら
1日の仕事のストレスから解放され、会社帰りにコンビニに寄るのが楽しみだった。
アルコールの飲める人なら、会社帰りにお酒を飲んでから家に帰るんだろうけど、彼は
飲めないので代わりにコンビニに毎日のように行っていた。そのせいか、つい今すぐ
必要でないものまで買っていた。「これはマズい、コンビニ貧乏一直線だ。」と思って
いたが身についてしまった癖はそう簡単に直せなかった。でも信仰を持ってから意思が
強くなったのか、毎日コンビニに行かなくても良くなった。それはストレスバリアーが
強くなったせいだ、と思った。去年までは薄っぺらいストレスバリアーしかなかったので
会社の仕事でストレスをもろに受け、夕方にはダメージで精神的にボロボロになっている
。お酒を飲める人なら、そこでアルコールに逃げるんだろうが、彼は飲めないので買い物
に逃げていた。それは脳の前頭葉が発達していないと、ストレスを受けるとバリアーが
ないのでもろにダメージを受けてしまう。だから本能で打たれたら打ち返すしか出来ない人になってしまう。ボクサーに例えると防御が全くダメなボクサー。打たれたら打ち返す
事しかできない弱いボクサー。しかし脳の前頭葉が活発に働き始めた彼は、自分を自由
にコントロールできるようになった。以前は欲望の奴隷だったが、今の彼は逆に欲望を
支配する管理人のようになった。そんなわけで、そんなに長くコンビニに居なくても平気
になった。彼は店に入ると紙パックのアイスコーヒーだけ買って、レジで会計を済ませ
行って3分ぐらいで車に戻って来た。エンジンを掛けアパートに向かった。
                🚙====
                                    つづく