暖かく無関心なホッとする人(P君)1163話

 午後5時45分、D君のインプレッサは会社からアパートに真っ直ぐ帰って来た。🚙階段
を上り一番奥の204号に着いた。以前ならここで気合いを入れないと入る気がしなかったが、もうそんなことは無かった。ドアのロックを解き、部屋に入った。多分31度ぐらいだろう。彼の特技は体の感じで温度が分かること。それでエアコンを26度に決めた。
26度と27度このエアコン設定温度は、たいして変わらないと思うかもしれないが、
27度だと生暖かい風が吹いて来る。決して暑い温度ではないが、涼しくもない。26度は
少し涼しい風が吹いて来る。肌がエアコンの風を喜んでいる。そんなわけで彼はエアコン
の設定温度を26度にしてONにした。それと米を水で洗い、ジャーにセットしてON。
それから冷蔵庫を開き、中から豚肉、ピーマン、玉ねぎ、人参、にんにく、ブロッコリー
、玉ねぎ、アイスコーヒーを出した。料理の前にアイスコーヒーを飲もうとしてコップに
注ぐと半分しかなかった。「明日、会社の帰りに買おう。」と思った。野菜類を洗って
一口大に切った。ニンニクだけは微塵切りにした。フライパンにサラダ油をひき、ガスの
火でフライパンを熱し、そこに野菜類を入れ炒めた。最後にソースで味付けした。それを
お皿に移し、そのフライパンで豚肉を炒め、塩で味付けした。彼の料理はシンプルで時短
だった。決してめんどうな事はしなかった。でも出来上がった料理は買わなかった。
すると、どうしてもバーベキューで作るような物しかできなかった。料理に時間を取られたくなかった。以前、料理の本を買って、その分量の通りに作ったら味がイマイチだった
。それでその本の分量を無視して作ったら、すごく美味しかった。それから料理にハマった。そのとき思った。「別に、この本のとおりに作らなければいけないなんてルールが
ある訳じゃない。料理は自由だ。美味しい料理を出してくれる店の味は店によって全部
違う。同じ味の店なんてない。」と思った。その時、ご飯の炊きあがる音がした。
 午後6時30分、彼はTVを見ながら夕飯の豚肉の塩炒め、野菜類のソース炒め、
クノールカップスープを食べた。
                                    つづく