暖かく無関心なホットする人(P君)800話

 午後12時15分、D君はうどん屋を出た。入口の傍にある自動販売機でブラックコーヒー
を買うと一気に飲み干した。「今日はセブンイレブンに着いても車の中で昼寝している
暇なんてない。急いでも交通事故にだけは気を付けないと。今日で結婚準備は一応できる
。あとは夏ごろ結婚式のお知らせの郵便物を送るだけだ。」彼はインプレッサに乗り、
エンジンを掛けた。
 午後12時40分、三丁目のセブンイレブンに着いた。駐車場でリカちゃんは待っていてくれた。「リカちゃん、悪いね。こんなとこで待たせちゃって。」「そんなこといいから
早くケーキ屋に行こう。」
 午後12時45分、車はケーキ屋に着いた。「いらっしゃいませ」「イチゴショートと
紅茶」「モンブランとブラックコーヒー、ホットで、二階で食べます。」
 二階の窓側の明るい席に着いた。しばらくして注文したものが来た。
「リカちゃん、ここを午後2時30分に出ればいいから、まだ1時間半以上あるから急がなくって大丈夫だよ。」
「よかった、ここのケーキをゆっくり味わって食べれるのを毎週楽しみにしているから。」
「まず結婚式の参列者だけど、教会員全員50人と新郎新婦の家族や親戚や友人や会社の
人でしょ。リカちゃんの家族は教会員だから考えなくていいけど、親戚で参加者は?」
「おじさん家族4人でしょ、それとおばさん家族5人でしょ。」
「会社で呼びたい人は?」
「部長でしょ、あと係長と、OL仲間4人組。」
「その他には?」
「大学仲間の、あっちゃんときーちゃん、ちなみにこのきーちゃんが半年前に私たちの
披露宴のあるホテルで結婚式を挙げたんだ。」
「他には?」彼はメモ帳に書いていた。
「そのくらいかな。」
「サンキュー今度は僕の番。家族は兄と弟で兄は3人家族、弟はまだ独身、両親は健在
。会社関係では部長でしょ、あと仕事仲間3人。大学の時からの親友、隆一と聡、彼らは
まだ独身なんだ、大学卒業後もよくつるんで渋谷とかに行ったなあ。20代の頃は
3人ともスキースノボーが好きで、軽井沢プリンスホテルのスキー場に行ったな。2人にリカちゃんを紹介するのが心配だなあ。「ちくしょう、こんな美人と結婚しやがって!
いつどこで知り会ったんだ。」と後で言われそうで。
 D君が腕時計を見ると午後2時だった。「ごめん、つい話に夢中になっちゃって、2時半
には遅くてもここを出ないと。あと決める事は引き出物の件だね。」
「引き出物はカタログで、あとで自分の欲しいものを選べばいいと思う。自分の欲しくもない物が引き出物だったらガッカリする。高いお金を出しているんだから。」
「そうだね、引き出物はカタログで本人に選んで貰おう。」D君が腕時計を見ると午後の2時10分だった。「結婚式は教会員+今話した普段教会にいない人だから50+17+12=79人
だね。披露宴に来そうな人は夜考えてるけどそれでいいよね。」「うん。」
「あとは披露宴の司会者だけど、これはリーダー以外に居ないと思うんだ。」
「私もそう思う。」「じゃ決定ね。」D君が腕時計を見ると午後2時25分だった。
「なんとか間に合った。じゃあ店を出よう。」
                                    つづく