暖かく無関心なホットする人(P君)791話

 6月15日(木)朝6時、D君は起きた。室温26度。今が一年で一番日が長い頃だ。5時頃から明るい、でもカーテンを閉めてあるせいか、あんまり分からない。それにしても
ベッドで寝るのって何てふかふかで気持ちいいんだろう。今までは畳の部屋の上に布団
を引いていたのに、オレンジのじゅうたんの上にフランスベッド、隣の部屋もオレンジのじゅうたんの上に社長室にでもあるような、アメリカンな本革のソファーセット、かなり高かったけど家具は一生使う物だからケチりたくなかった。カーテンは淡いイエロー。
今度の土曜日にクロゼットとかが来ればこの家もかなり狭くなってしまうだろうが大丈夫だ。独身の時、部屋に家具らしい家具はタンスと安っぽいクロゼットしかなかったので、部屋の中はガランとしていた
。起きるたびに、ここはどこのホテルだろうかと思い、家具でこうも部屋の雰囲気って
変わるものなのかと思った。ここは静かだし、場所的にも便利だし、家賃もそう高くないし、日当たりもいいからD君は気に入っていた。
 彼は洗面所で朝の支度をした。それから台所に行ってお湯を沸かし、ポットのお湯を入れ替えた。それでコーヒーを作り、いつものメニューも作った。
 7時のNHKニュースを見ながら、朝食を食べた。
 8時30分、彼はアパートを出た。
                                    つづく