暖かく無関心なホットする人(P君) 690話

 午後6時30分、リカちゃんママが階段の下から「美香、夕飯よ!」と大きい声で言うと
「はーい、今行く。」と言った。奥の部屋に居るリカちゃんパパにも「夕飯ですよ!」
と言った。しばらくして5人全員が食卓に座った。D君はふと思った。こうして平和に
家族揃って夕飯を食べれるなんて、いったい東京の家庭で何パーセントいるんだろうか?
わからないけど、おそらく一割もいないんじゃないだろうか?一人暮らしの人も居れば
、家庭崩壊で離婚寸前の家庭もあれば、仮面夫婦の家庭内別居の家庭、子供が反抗期で
夕飯を一緒に食べない家庭。懐メロで虎舞竜の「ロード」と言う曲があったが、その歌詞
に「何でも無いようなことが幸せだったと思う」というところがあった。この曲がヒット
していた当時はボーカルの高橋ジョージは本当の意味がわからなかったかも知れないが、
皮肉にも三船美佳との離婚を通して、この歌詞の本当の意味が今はしみじみ分かったと思う。だから平和な家庭というのは、ある意味奇跡だと思う。これが幸せ度MAXだ。聖書を読んでみてもそうした家庭は少なく、しかも短い時間だった。
 そんなことを思っている間に女性陣がお皿にご飯とカレーをつけてくれた。テーブルの真ん中にはリカちゃんママが、大きいお皿に生野菜のサラダを作ってくれた。リカちゃん
パパが食事の感謝の祈りをした。
                                    つづく