暖かく無関心なホットする人(P君) 675話

 午後5時30分、ふたりはケーキ屋通りにある洋食屋に入った。窓側の明るい席にふたりは座った。「いらっしゃいませ。」「ハンバーグ定食2つ。後でコーヒーと紅茶お願いします。」「リカちゃんハンバーグ定食でいいんだよね。」「うん。」「かわいいね。」
「え、何が。」「うん,っていう今の言い方。」「子供っぽいていう事?」「何て言うか
黙っていると超美人なんだけど、話すと子供っぽいというギャップがキュンてくるんだよ
。」「やだ、ほかのお客さんもいるんだからやめて、恥ずかしい。」「いいんだって、
明日はリーダーとガッキーに2人はラブラブなところを見せると二人はお互いに意識するようになるよ。」そのときハンバーグ定食が運ばれて来た。無言で感謝の祈りをした。
食べ始めると「ディーンって色々、恋愛について詳しいね。」「まあね、よく本屋に行くと恋愛のマニュアルみたいな本あるでしょ、あれは良くないね。」「えっ、どうして?」
「A君に片思いの人が居たとするでしょ。彼は本屋で、こうすれば相手も自分を好きになるようなことが書いてあるマニュアル本を見つけ、その通りにしようと思いました。ところが相手は学校一の美人(彼女がC子)、ライバルがいました(彼はB君)。彼も何とかして片思いの彼女と付き合いたかったので、ある日、本屋でB君もA君と同じ「こうすれば相手も自分を好きになる。」というマニュアル本を見つけ、その通りにしようとした。さてC子はどちらの人を選ぶでしょう?」「あっ、そうか。」「わかったでしょ、恋愛に
マニュアルなんてないよ。もっと悲惨なことは、もしその本を信じて、本のとおりにしようとしたA君かB君が失敗したとすると、彼はその失敗が失恋の原因だと思って、自分を
攻めうつ病になってしまうよ。そうならないように、まるで受験のテストを受けるような
、頭でっかちで融通が利かない神経質な人とのデートって、リカちゃんだったらどう思う
?」「一回は我慢してデートするけど、二回目は無いと思う。あっ、思い出した。前に
ディーンに話したことあるんだけど、学生時代に、そういう人いた。彼は、わたしに会うとガチガチに緊張してて、話もつまらないから、一回デートしただけ。」「でしょ。」


                                   つづく