午後7時35分、D君のインプレッサはアパートに帰って来た。部屋に入ると、彼は
コーヒーを作った。コーヒーを飲みながら「今日は充実していたな。えっと、まず
セブンイレブン、ケーキ屋、100円ショップ、洋食屋、カインズホーム、このアパート、
家具屋、リカちゃんの家、家具屋、リカちゃんの家、で、このアパートに帰って来た。
なにより良かったのはリカちゃんの家にあるのと同じ、ソファーセットが買えたことだ。
売約してあるから、いつでも運べるが、その前にジュウタンをリカちゃんと決めて、ひかないと、そうだ、あの店で今度買って一緒に配達してもらおう。」と思った。
　午後7時45分、聖書を読む時間が少し過ぎてしまったがしょうがない。今晩読むのは
ヨハネによる福音書19章だ。19章はローマ帝国の地方総督ポンテオ・ピラトのもとに、大祭司カヤパから引き渡されたイエス様に十字架刑の死刑判決が下ろされる場面だ。
どんなにカヤパがイエス様を死刑にしたくても、ローマ帝国にユダヤが支配されている
以上それは無理です、上告してローマ帝国に裁判を委ねるしかイエス様を死刑にする方法
はありませんでした。ピラトはイエス様を何とかして釈放しようと努力したが、ユダヤ人
たちの怒号に負け、十字架刑にしてしまった。そして無罪のイエス様は死刑にされた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく