暖かく無関心なホットする人(P君) 517話

 9時30分、D君のインプレッサはセブンイレブンに着いた。店に入るとリカは雑誌を
読んでいた。「おはよう、リカちゃん、何を読んでるの?」「それはひみつ。」
「じゃあ、いこっか。」二人は店を出て車に乗った。D君はエンジンを掛け、車は走り出した。「この間、リカちゃんの家に行ったとき出て来たケーキ、これから行くケーキ屋の
ケーキだよね。」「そう、よく分かったね。」「だって、ピカイチだったよ。ケーキの
AAAだよ。ミシュランなら5☆、リカちゃんが最高って言うだけあるよ。」
 9時40分、車はケーキ屋に着いた。ちょっと変わった店で、カウンターの下に見本の
ケーキが並んでいるのまでは、よくある風景だが、そのカウンターの左横に階段があり
二階に通じている。まさか店の二階で食べられる店なんて、知っている人は少ないだろう
。「いらっしゃいませ。」「メロンケーキとブラックコーヒーホットで、リカちゃんは」「イチゴショートと紅茶、二階で食べます。」二人はカウンター横の階段を上った。
「わかった。普通のお客さんは、まさか店の二階で飲み物付きで食べられるなんて、夢にも思わないけど、VIP待遇で、どこかの国の主賓にでもなったみたいで、気持ちが高まるんだと思う、それにプラス味はピカイチじゃ他のケーキ屋は勝負にならないよ。」と
D君は言いながら、二階の部屋に入った。
                                   つづく