暖かく無関心なホットする人(P君) 499話

 午後3時、D君が「そろそろ店を出ようか?」「うん、そうだね。」二人は店を出た。
「リカちゃん、そこでちょっと待ってて、今そこの有料駐車場に車を止めてくるから。」
と言ってD君はインプレッサを移動した。彼は車から戻って来た。「電話した例の宝石屋
に行こう。」と言ってD 君はリカの手を取った。
 午後3時10分、二人は例の宝石屋に入った。店の中の指輪がズラッと並んでいるガラス
のショウケースに近づいた。「リカちゃんの好きなデザインの指輪はどれかな?」とD君
が聞くと「うーん、沢山あり過ぎて迷っちゃう。」「どれでもいいけど、その中でベスト
スリーはどれかな?ベストスリーならあるでしょ。」「うん、これとこれとこれ。」
「そうすると三つに絞れるでしょ、そしたら、この三つを買ったとすると、これだけは
絶対無くしたくない物ってあるでしょ。それが本当に欲しい指輪だよ。僕も大学を卒業
した時、ギターを4つも持っていたけど、就職したら必要ないなと思って、高校生の時に
買った、一番最初に3万円で買ったギターだけど、Fenderテレキャスターのコピーモデルだけ残して、後のギターは処分した。これだけはどうしても残しておきたくてね。もっと
高いギターは他にあったんだけどね。楽器屋で見たときピピッと来たんだ。恋に似ているね。リカちゃんにもピピッときてね。第一印象で大体そうゆうのって分かるっていうよ。そうゆうわけだから、分かると思うよ。」
「ありがと、いいアドバイスを、それはこれ。」とリカは指を指した。
「すみません、これを下さい。サイズは9号で。」
店員がショウケースから指輪を出し、「少し、お待ちください。」と言って奥に下がった

しばらくして、「お待ちどうさまでした。」と言ってD君は会計を済ませた。
二人が店を出ると、D君は「リカちゃん、右手の薬指を出して。」と言った。リカが指を出すとD君はさっき買った指輪をリカにハメた。「どう、サイズはちょうどいい?」
「うん、ピッタリ、ありがとう。」「よかった。」
                                  つづく