暖かく無関心なホットする人(P君) 484話

 午後5時30分、D君は会社から真っ直ぐアパートに帰って来た。部屋に入ると
「リーダーは、まだ夕飯を食べていないはずだ。今なら電話しても問題ないと思う。」
「ブルルル、ブルルル、はい、桜井です。」「リーダー、イザヤです。(久しぶりに
自分でイザヤと言ったので、少し恥ずかしかった。)」「あっ、イザヤ、どうしました。
」「こんな大事なことを電話でいうのも何ですが、土曜日に教会で話すと練習に集中できないと思いまして、急ですが報告させていただきます。実は里香さんと結婚することに
なりました。」「えっ、ホント、信じられない。でもおめでとう。まいったなあ。あの
里香ちゃんが君と結婚するなんて。里香ちゃんと初めて知り合ったのは僕がまだ20歳、大学生のときだった。そのころ牧師先生が「桜井君も日曜学校の教師をしてみない?」
と言われ、僕のクラスに里香ちゃんがいた、その時の彼女は10歳ぐらいだから、4年生
ぐらいだろう、小さい頃からかわいい子でね、すごく大人しくて、あまり会話した記憶
がないよ。そう、それはビックリだね。今度の土曜日にイノッチと剛君はどんな顔をするか楽しみだね。」
                                   つづく