暖かく無関心なホットする人(P君) 471話

 午後7時30分、夕食は、一段落した。ミカちゃんは「OOさん、お先に失礼します。」
と言って階段を上って行ってしまった。D君は緊張してきた。いくら気に入られているとはいえ。「OOさんもずっと同じ姿勢でいて疲れましたよね。そちらのソファーに移り
リラックスしてください。」とリカちゃんの母親は言った。
 4人は本革の座り心地のいい椅子に座った。リカちゃんと僕は長椅子に並んで座った。
舞台は整った。まるで僕の言葉を待っているようだった。気まずい沈黙が30秒ぐらい続いた。思い切ってD君は口を切った。「実は去年の暮れ教会クリスマスの案内ハガキがポストに入っていました。以前から気になる教会だったのですが、勇気がなくて行けませんでしたが、これはチャンスと、思いきって教会に行くと受付に里香さんがいました。
恥ずかしいんですが、ひとめぼれと言うかなんというか、気になってしまいました。それからかかさず、教会に通うようになりました。僕に大きな影響を与えたのは桜井さんの
存在です、あの暖かいんだけど人と距離をおく、他人に無関心で、一緒に居て気を使わなくていいホットする人、彼のような人には今まで会ったことがありません。僕も彼のような人になりたいと思いました。とにかく不思議な人です。彼のような人になるには聖書
を理解しなければ、とにかく分かっても分からなくても聖書を読まなければ話にならない
。それと比例して里香さんへの思いも大きくなってきました。それでその気持ちがある時
抑えられなくて、結婚してください。と話したら、承諾してくれました。でもその時は、まだ洗礼を受けていませんでした。洗礼を受けて、しばらくしてから里香さんの御両親
に二人の気持ちを伝えたいと思いまして今日ここに来ました。」「彼は今言った通りの人で、正直な人です。」「お父さんお願いです、里香さんと結婚させて下さい。」


                                   つづく