暖かく無関心なホットする人(P君) 373話

 8時45分、D君はインプレッサのエンジンを掛け、出かけた。
教会前の国道を走ると右側にマックが見えて来た。そのマックの横の道の奥に剛君の
アパートがある。D君は傍に車を止め、202号室のチャイムを押した。
「ピンポーン。」「ガチャ、あっ、OOさん、お待ちしていました。」「ごめんね、
先週来たばかりなのに。」「いえいえ、OOさんはギタリストの先輩ですので。
どうぞ奥の部屋に。」と言って奥の部屋に案内した。その部屋にはエレキギター3台、
アコースティックギター1台が置いてあった。「剛君はギターが好きなんだね。」
「ええ、中2のころからギターを弾いています。で、だんだんギターが増えてしまいました。」「わかるわかる。剛君と同じで僕も中2からギターをはじめたよ。一番多い時で
fenderストラトキャスターとテレキャスターのコピーモデル、Gibsonレスポールの
コピーモデル、アコースティックギター、マーチン製の4台持っていたよ。アコギ以外は
コピーモデル。」「すごいですね。マーチンを持っていたなんて。」「でも僕が一番好きだったのは最初に買ったテレキャスターのコピーモデルだよ。これだけは手放せなくてね。後のは大学のサークルの後輩に譲ったよ。でもマーチンだけはお金になるので売ったけど、当時、お金に困っていたからね。なつかしいな。就職すると、もう使わないと思っていたけど教会で使うことになって、テレキャスターを残しておいてよかったよ。あっ、ごめん、ながなが話しちゃって。」「いいえ、コーヒーでも飲みますか?」「ブラックでお願い。」、、、、、、、「剛君って若い頃の僕にそっくりだね。いつ東京に来たの?」「東京の大学に来るまで地方にいました。」、、、、、、、、、、「よくにてるね。」
、、、、、、、、「そろそろ練習始めようか?」、、、、、、、「そうですね。」
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 11時20分、「かなり長く練習したね、今日はこの辺までにしよう。久々にセッション
したので時間が経つの忘れちゃった。やっぱり剛君は現役ギタリストだけあって上手いね
。」「いえ。そんなことないです。」「もうじき、お昼だからそろそろ帰るね。じゃ、
また明日。」
                                  つづく