暖かく無関心なホッとする人(P君)3955話

16:00 D君は会社の仕事が一段落したので、先週の続きの小説を書き始めた。


  「正樹の一人クリスマス(クロスロード)」第25話


 正樹は今日の分の大学の勉強を終え、聖書のマタイによる福音書9章から読み始めた。
「イエスは船に乗って湖を渡り、自分の町(かぺナウム)に帰られた。すると、人々が中風
(脳卒中の後遺症、片麻痺など)の人を床に寝せたままで、みもとに運んできた。イエスは
彼らの信仰を見て、~」と書いてあった。結局、この病人はイエスに癒されたがそれを見ていた律法学者はいちゃもんを付けた。それはイエスが「子よ。しっかりしなさい。あなたの
罪は赦された。」と言ったからだ。彼らは神のみが人を赦す権威があって、自分を神の子
だとしているイエスが許しがたかった。しかしイエスは人の子(イエス)が地上で罪を赦す
権威を持っていることを、知らせるために中風の人に「起きなさい。寝床をたたんで、家に
帰りなさい。」と言い、彼は起きて家に帰った。(ルカの福音書5-17~にはこの事件が詳細
に書いてある。この中風の人は最初友人に担架か何かで寝たまま運ばれてきたが、その家は
人でごった返していたので、入ることが出来なかった。それで彼らはその病人を背負って、
梯子で屋根に上り、イエスの居る辺の屋根瓦をはがし、その病人をロープか何かで吊るし
下ろした。(言葉で書くと簡単そうに見えるが、実際にこれをやった彼らはすごい。)
彼らはどんな方法でもいいから、とにかくイエスのもとに病人を置けば、かならず癒して
もらえる。という信仰を持っていた。
 「イエスは彼らの信仰を見て~」イエスの見たのは病人の友人の信仰だった。


                                    つづく