暖かく無関心なホットする人(P君) 177話

 「そんな、宝石だなんて。」「ところでリカちゃん、もう夕方5時だけど夕飯は何を
食べたい?」「さっき、ローストビーフの話をしてたら、急に食べたくなっちゃった。
お店のソースを研究したいな。」「いいね。この辺に美味しい洋食屋ないかな。」
「いいお店知ってるけど、ちょっと高いよ。」「そんなの気にしない。行こ、行こ。」
 午後5時、二人はOOOOOという洋食屋に入った。その店は見るからに一流店だった。
でもお客さんは他に誰も居なかったのは良かった。この美しく広い空間でリカちゃん
と、二人っきりなんて夢みたいだ。
 「いらしゃいませ、何になさいますか?」「二人ともローストビーフと野菜サラダと
ポタージュスープとライス。」とD君が言った。リカちゃんが「あっ、いけない。家に
電話するの忘れてた。」5時10分だった。「リカちゃん今だったらまだ間に合うよ。電話
して。」とD君は言った。「ブルルル、ブルルル、はい加藤です。」「あっ、ママ、里香
だけど、ごめん言い忘れてたけど、今晩も夕食一緒に食べられない。ごめんね。」


                                   つづく