暖かく無関心なホッとする人(P君)3922話

19:45 D君は夕食後、さっきの小説の続きを書き始めた。


    「正樹の一人クリスマス(クロスロード)」第3話


 正樹には反骨心というか、自分で納得できないことはしたくないという面があった。
みなただ雰囲気に流されてクリスマスムードに浸るこの時期が嫌いだった。もし自分にも
彼女が出来たら大多数の人のように、ムードに流されるんだろうが、幸か不幸か彼には
彼女が今まで出来たことがなかったので、クリスマスを何の思い入れもなくドライに考え
ることが出来た。彼には何も考えないでクリスマスムードに浸って、俺は彼女とその日を過ごすんだ、と言って高ぶっているやつには無性に腹がったたが、それとは逆に僕はその日
ボッチクリスマスだ、とか言って落ち込んでいる奴も嫌だった。なんでその日をどう過ごすかでまるで人生の勝者と敗者みたいになるんだ。----彼はクリスマスの本当の意味が
知りたかった。その日どこかの教会に行けば、牧師のような人が事細かに説明してくれるんだろうが、自分はそれでクリスチャンになろうなんて少しも考えていない。ただキリスト教のクリスマスの意味を少しだけつまみ食いしたいだけ。教会に行くなんて敷居が高すぎる。
自分の周りにはクリスチャンはいない。さあどうしたらいいんだろう?
                                    つづく