暖かく無関心なホットする人(P君) 175話

 午後3時30分、「リカちゃん、この辺の事よく知らないから、いい店、教えてくれないかな、もう3月だし、春だから散歩も気持ちいいよ。」「いいね。そうしよ。」
 彼らはケーキ屋を出た。D君は「リカちゃん、ちょっと車に乗って、有料駐車場に車を
止めるから。」彼女が車に乗ると、近くの有料駐車場に車を止めた。
 彼らはケーキ屋通りの道を歩き始めた。「そういえばリカちゃんって、料理が趣味って
言ってたよね。」「そう。まあ、大したものは作らないけど。」「例えば、どんな料理。
」「いまハマっているのは、ローストビーフ作りかな。クリスマスの時、家庭で作ったら
結構好評だったので、もっと美味しいのを作ろうとしている最中。」「えー、すごいね。
そんなの自分で作れるの?昔クリスマスのとき、レストランで食べただけだよ。」
「割と簡単。5cmぐらいの厚い牛肉をフライパンで表面だけ焼いて、中は生で、牛肉は
生でも食べられるからね、それを上から薄く切ればいいだけ、ただ店のソースは企業秘密
というか、家庭で真似するのは難しいけど。」「いいな。自分も料理は好きだけど、簡単
なレシピばかり、よく作るのはカレー、シチュー、ロールキャベツ、牛丼、焼きそば、
リカちゃんが聞いたら笑っちゃうようなものB級グルメばかりだよ。一度でいいから、リカちゃんの作ったローストビーフを食べたいよ。」「いいよ。今度持ってくるね。」「
えっ、ホント。」「ホントにホント。」「ホントだよ。今度のデートの時持ってくるね。

                                  つづく