暖かく無関心なホッとする人(P君)3524話

 17:55 JR渋谷駅前のハチ公の銅像の周りには大勢の人が集まっていた。外の気温は
かなり寒かったが、ここに集まっている人の心は暑いから、そんなことは関係ない。
KKはそろそろランナーが来る頃だろうと思い、キョロキョロ周囲を見ていると、駅の
改札口から女優の井川遥そっくりの人が歩いてきた。改めて見るとピカイチの美人だ。
(なんで俺みたいなイケてない男を選んだんだ。まさか夢じゃないだろう?夢にしちゃ
長すぎる。だってもう何回もデートしてる。東京スカイツリーにも行った。夢じゃない。
多分大勢の男が彼女に恋をして告白して撃沈しただろう。彼女はそんな男どもを求めていない。彼女は自分には無関心で、彼女の方から先に恋をしたいんだ。だからか既婚者は
モテるんだ。奥さんがいるから自分には無関心。ただ片思いをすることしかできない。
俺は既婚者じゃないけど、ある意味彼女に対しクールだったのかも知れない。とにかく
彼女の方が先に恋をできるようにさせた。)彼女も俺に気が付いたのか、笑顔で右手を挙げて手を振った。


ランナー 「待った?寒かったでしょ。」


KK 「ううん、さっき来たとこ。それより会社帰りでおなかペコペコだよね。」


ランナー 「まあ、そんな感じ。」


KK 「この駅の近くのフレンチレストランを予約してあるんだ。そこに行こう。」


                                 つづく