暖かく無関心なホットする人(P君) 122話

 17時05分、彼らはケーキ屋に入った。「リカちゃんのお勧めは?」「この店は何でも美味しいけどコーチはモンブランが好きでしたね。」「そうだよ。よく覚えてるね。」
「モンブランもいいけど、チョコレートケーキなんかどうですか。」「じゃあ、それに
しよう。リカちゃんは何にする?」「わたしはチーズケーキ。」「飲み物は?」「紅茶
、コーチはブラックコーヒーですよね?」「よく知ってるね、僕はブラックだよ。」
「じゃあ頼みますよ。すみません、チョコレートケーキとチーズケーキ、紅茶と
ブラックコーヒーをお願いします。二階で食べますので。」
 二人は階段を昇り、二階にあるカフェに入った。「コーチ、もう遅い時間なので誰も
いませんが、3時ごろは満員です。」時間は17時15分だった。外は真っ暗だった。二人は
誰もいないカフェで一緒にケーキを食べた。「うーん、リカちゃんがお気に入りの理由がわかった。今まで食べたどのケーキより美味しい。」「でしょ、この店のクリームが
天下一品なの。」「でもよくこの店を知ってるね。」「ええ、私の趣味はケーキ屋めぐり
というか、名店を探すことです。」「いままで何軒ぐらいのケーキ屋に行ったの?」
「えーっと、20軒ぐらいかな。」「すごいね、僕はたまにしかケーキを食べないよ。
この間コンビニで買ったモンブランと、この店のモンブランと食べ比べてみたいよ。」
「それはいいですね。わたしもイチゴショートにハマるとそればっかり、一か月も食べて
どの店が一番おいしいか食べ比べています。」「まるでケーキ博士だね。今度はこの店
のモンブランに挑戦したいです、博士も居て下さい。」「ええ、いいですよ。」


                                 つづく