暖かく無関心なホットする人(P君) 114話

 北陸新幹線あさま622号、軽井沢発15時55分、東京着17時12分に彼らは乗った。
乗ってすぐ、リーダーとD君以外の人は寝てしまった。ハードスケジュールだったので
仕方ない。「リーダー、今日は楽しいときをありがとうございました。」「いいえ、
みんな楽しいときを過ごせ、だれもケガをしなくて何よりです。」「そういえば、思い出しました。今、マタイによる福音書を読み始めてるのですが、1章でマリヤが聖霊に
よって身ごもったと書いてありますが、多くの人はこんなことはあり得ないと、これで
聖書が、おとぎ話のように思って真剣に信じられなくなるのではないでしょうか?」
 「イザヤ、これはクリスチャンでも誤解している人がいますが、マリヤの卵子と聖霊が
霊的な精子として受精したのではないのです。もしそうであるならイエス様は神様と人間の混血として妊娠したことになります。そうすると人間には罪がありますから、イエス様が他人の代理に、罪の支払いをすることはできません。また、その考えですとイエス様はマリヤの体で妊娠するまで存在していなかったことになります。そうではないのです、
イエス様は世の初めから天に存在していたのです。そのイエス様が天から降って来て聖なる受精卵 としてマリヤの体に宿ったのです。その後、イエス様は多くの奇跡を行いました。あるときは無から有を呼び起こし、命のないものに命を与え、これらの奇跡は信じられるのに、マリヤの体に奇跡的な命が宿ったことを、どうして信じられないのでしょうか?」
 D君は、なるほど、そういうことだったのかと、やっと納得した。


                                 つづく