暖かく無関心なホッとする人(P君)2715話

 2/2(土)午後2時、Bさんは自分が住んでいるマンションの、近くにある行きつけの
喫茶店でコーヒーを飲んでいた。考えごとをするときはこの店にいることが多い。
Bさんは考えていた。「この歳になると結婚とか考える前に老後のことが頭によぎる。
なにしろこの春50になるんだ。信じられないけど現実を受け止めるしかない。40を過ぎたころ結婚は諦めた。しようと思えばそれまでにできただろうが、そんなに好きになる
人と出会わなかった。もし出会って、その人が「夢を捨てて安定した仕事に就いて。」
と言い、そうすれば結婚すると言ってくれれば、小説家になる夢を捨てて結婚していた
だろうが、そんな人とは出会わないまま、この歳になってしまった。」彼は思った。
「これを逆手に取ればいいんだ。結婚出来なかったことを悔やむより、結婚しなかったからこそ出来ることを見つければいいんだ。幸いにも今は人気小説家として、ある程度他人に影響力があると思う。もし彼女の言う通り、小説家になる夢を捨てて、それと引き換えに結婚を選んだら、多分どこかで「あのとき道を間違えたかな?」と思う時がきっとくる
。結局、現実は独身なんだから一人だからこそ出来ることがあるはずだ。もし結婚していたなら配偶者の意見も聞かないといけない。もし結婚相手がキリスト教に反対する人だったら、自分が結婚した後クリスチャンになるのは難しいかもしれない。それより配偶者に
伝道してクリスチャンにすることはもっと難しい。でも一人なら簡単にクリスチャンに
なることができる。その自分がクリスチャンになろうとしても、それを妨げるハードルが
2つあった。一つは仏教。もう一つは進化論。でも仏教は全てフィクションで、人間が
勝手に考え出した物にすぎないことがわかった。だから信じるに値しない。これで1つの
ハードルはクリアした。もう1つのハードル進化論を提案したダーウィンも、その晩年
にはクリスチャンになったことがわかった。彼の提案した説は自ら間違えていたことを、
自分で証明した。これで2番目のハードルもクリアした。最後のハードルは自分が罪人で
あることを自分が認めることだ。このハードルをクリアすればクリスチャンになれる。


                                    つづく