暖かく無関心なホットする人(P君) 26話

 9時45分になった。D君は、お気に入りのバッグの中に、買ったばかりの聖書とノートと筆記用具と財布、スマホなどを入れた。服装はクリスマスに教会に着て行った服装だ。
あの日はホワイトクリスマスで寒かった。今日は雪は無かったが、かなり寒い日だ。
 彼は急いで階段を下りて行った。青いインプレッサに乗り込むと、エンジンをかけ、
車を走らせた。こんなに車を走らせるのが充実したことはない。
 教会の駐車場に着いて、ふと見たら一台の軽自動車が後から来て駐車場に止めた。
その車のドアから里香さんが降りて来た。彼は思った。里香さんは今ごろ来るんだ。
彼も車から降りると「おはようございます、里香さん。」里香は少し驚いたようにD君
に向かって「あっ、おはようございます。早いですね。」と言った。
 まだ10時前だった。そこに、もう一台の軽自動車が入って来た。その車からガッキーが降りて来た。D君は彼女にも「おはようございます。」と言うと、ガッキーも「早いですね。」と言った。彼は心の中で、ガッキーの本名を知らないのは、ちょっと失礼だな
と思った。それで三人で教会の入口に向かって言った。


                              つづく