暖かく無関心なホッとする人(P君)2062話

 午後1時15分、
イノッチ 「三井さんは呼び捨ての方がいいんですよね。」、、、、
檜山 「三井さんじゃなくて今日から檜山って呼んで。」、、
聡 「檜山って意外とMなんだね。」、、、、
檜山 「バレた?ツンツンしてるように見えても、中はそうでもないってこと。」
イノッチ 「わかった。檜山は三井さんだったよね。三井さんで美人さん
      だったら、いいところのお嬢さんで執事がいる大豪邸に住んでいる
イメージだから。」、、、、
檜山 「そう、よく言われるけど全然そうじゃない。」、、
聡 「会社では年上の男性社員もみんな敬語で三井さんでしょ。」、、
檜山 「なんでかなアリスちゃんに対しては、みんな子犬みたいに可愛がるのに。」
D君 「会社の男性社員の気持ちがわかるよ。もしリカが自分と同じ会社にいたら
   悩むと思うよ。」
檜山 「えっ、なんで。」
D君 「だって、リカみたいな美女が会社にいたら「いいなあ。」と思い、毎日会社に
   出勤するのが楽しいと思うよ。「あんな奥さんが家に居ればなあ。」と
   指をくわえて見てるだけだよ。」
檜山 「どうしてデートに誘わないの?」
D君「そう簡単に誘えないよ。ギャンブルだよこれは。もし誘って上手くいけばいいけど
   、上手くいかなくて逆にセクハラだって上司に訴えられたら地方に飛ばされるよ。
そんなことを考えているうちに、社外の誰かに取られてしまうんだ。僕は社外のその人
だよ。会社で里香のことが好きだった人がいたんじゃないかな。もう手遅れだけどね。」
檜山 「なるほどね。そういうわけか。」
D君 「檜山も美人だから、会社で同じように思っている人がいると思うよ。すぐそばで
    毎日会っているからチャンスはいくらでもあると思っているけど、ある日突然、
    結婚することになりました。」と言われ、既婚者ならそれほどじゃないけど、
              独身で密かに好意を持っていた人は落ち込むよ。」
檜山 「不幸中の幸いの逆の「幸い中の不幸」みたい。」
D君 「多分、檜山はプラスタイプなんだよ。」
檜山 「プラスタイプ?どういう事?」
D君 「磁石でプラスだったら、他の磁石のプラスは遠ざけ、マイナスとくっ付くよね。
   アリスちゃんは弱いところを見せるでしょ、マイナスタイプなんだ。だから男性
   社員はアリスちゃんを助けたくなるんだ。隙の見せ方が上手いというか。その点
檜山は自分一人で何でもやっちゃうから、男性社員の入る隙が無い。まあ檜山らしいと言えばそうなんだけど、それじゃ男性を遠ざけてるプラスタイプだよ。男性は大体の人が
プラスタイプだからね。」
                                     つづく