暖かく無関心なホッとする人(P君)1081話

 7時35分、D君のインプレッサはアパートに着いた。 🚙 階段を上り一番奥の204号
に気合いを入れて入ると、ムアーという熱気があった。部屋に入り温度計を見ると36度
もあった。急いで窓を開け、 換気扇を回した。それから台所に行って冷蔵庫から、氷
とアイスコーヒーを出し冷たい飲み物を作り、椅子に座ってフーと息をつき飲んだ。
 7時40分、彼は窓を閉め換気扇を止め、エアコンを26度に設定してONにした。
彼は残りのアイスコーヒーを飲みながら、今読んでいるヨセフの事を思い出していた。
ヨセフは何時か兄弟たちに逢ったら復讐しようとは思わないで、この事を利用して驚かせてやろう。「勝たなくても負けなければ自然に勝てる。」の人だった。ボクシングで言えば、パンチ力はそれほどでないけど、鉄壁の守りを持っていた。相手に多くパンチを打たせていれば、だんだん相手は疲れて来て守りに隙が出てくる。終盤、相手の隙をついてパンチすればノックアウトできる。恋愛の勝ち組も、粘って粘って終盤に勝負を持って行った。これは必勝法だと思った。
                                    つづく