暖かく無関心なホットする人(P君) 742話

 午後5時15分、D君は会社の仕事が終わり、駐車場に向かって行く途中、リカちゃんに
電話を掛けた。「ブルルル、ディーン。」「リカちゃん、だんだん暑くなってきたね。」
「うん、そうだね。」「涼しいうちに家具とか用意できて正解だったね。」「そうそう。
」「暑いだけでストレスが溜まるもんね。」「ディーンもそう思う?」「そうだよ。今日も会社で嫌な事あったんだけど、リカちゃんのこと思い出したら、余裕というか。そんな事どうでもいいやって、彼の考えに合わせることが出来た。以前の僕なら考えられない事だった。その時、そうかって思った。以前は自分の居場所が会社とアパートしかなかった
。でも今は会社とアパートの他に教会、リカちゃんとのデート、会堂での練習、リカちゃんの家と沢山ある。これは大事な事だと思うんだ。自分の居場所がそこしかない人は、
その場所で自分の思い道理に人が動かないとキレる。まるで自分が王様になったみたいで
、国民は自分の思い道理に動くのが当然だと思う上から目線のヤなやつになってしまう。
でも自分の居場所が幾つもある人は、ある場所で嫌なことがあっても、別の場所に行けば
嫌な事を忘れられると思う。」「なるほど。」「そんなわけで、前に比べて心がひろくなったというか、とにかくHAPPYだよ。」
                                    つづく