暖かく無関心なホットする人(P君) 700話

 午後5時45分、D君のインプレッサはアパートに着いた。彼は部屋に入り冷蔵庫から、
牛肉、玉ねぎを出した。今晩は牛丼にしようと思った。まず玉ネギの皮をむいて水で洗ってから切った。牛肉も切った。それから鍋に水を入れ、玉ねぎと牛肉を煮た。そして醤油
、みりんを入れた。同時進行でご飯も炊いた。どんぶりにご飯を盛り、その上に汁ごと
牛丼の具をのせた。これで自家製つゆだく牛丼の完成だ。飲み物は緑茶にした。
 午後6時20分、彼は牛丼を夕飯にした。食べながら、さっきリカちゃんに話し足らなかったことを食事の後しようと思った。
 午後7時10分、彼は夕飯も終わったし、リカちゃんも食べ終わっていると思うから電話した。「ブルルル、ブルルル、はい加藤です。」「あっ、リカちゃん、ディーンだけど
夕飯もう終わった?」「あっ、ディーン、さっき終わった、で、どうしたの?」
「よかった、たいした用じゃないけど、思いついたときに言わないと忘れちゃうといけないから。」「それは何?」「さっきの話の続きだけど、パーソナルスペースって聞いたことあるでしょ。」「うん、ある。」「コミュニケーション能力が高いさっきの女性は男性のパーソナルスペースに入り込むのが上手いんだ。」「どうやって入り込むの?」「それはさっき言ったため口を使うんだ。ため口で話されると一気にその人との距離が短まる
、ため口で話されると相手はパーソナルスペースに、その人を入れてしまい断れなくなる
。ちょうど玄関のドアがロックされていると、どんな事をしても家の中に入れないけど
、ドアの中に入れてしまった人を追い出すのは難しいのに似ている。」「なるほど。」
「美人だけの人はこれが下手なんだ。自分の美貌のせいか知らないがとにかくプライド
が高い。だから玄関のロックを掛けて、年収500万以上、身長175cm以上とかの条件を
クリアしないと玄関のロックを外さない。でもそんなことをしていると結婚するのは難しい。それより普通っぽい人でも、ため口で話されると男性はいきなり玄関を通って部屋に入ってくるようで、最初は「この人は何なんだ?」と思うかもしれないが、かわいい人
だな。と思い頭から離れなくなる。これはよく分かるんだ。リカちゃんは美人だけど、
子供っぽい話し方で、ため口で話すから僕の心の中に入ったんだ。」
                                   つづく