午後5時15分、D君は会社の仕事が終わり、駐車場に向かう途中リカちゃんに電話を掛けた。「ブルルル、ディーン。」「リカちゃん、わかったよ。」「えっ、何が？」
「どうして僕がリカちゃんを好きなったのかの理由だよ。」「人を好きになる理由って？
」「それは僕がずっと考えていた事なんだけど。時々どうしてこんな美人が1度も結婚しないで、アラフォーになるまで独身でいるんだろうか？不思議に思ってたんだ。その理由
が何だかわかる？」「それは、その人の理想が高いからなんじゃないの。」「それも確かにある。でもそれだけじゃないんだ。そんな美人な人より、言い方が悪いかも知れない
けど普通っぽい人の方が早く結婚する。」「確かに。」「どうしてかと言うと、その美人な人は自分の美貌に頼りすぎていて、コミュニケーション能力が劣っている。例えばこう考えるとわかりやすい。その美人の外見が5だとする。で、コミュニケーション能力が1だとすると、あわせて6。普通っぽい人の外見が3だとする。でも、コミュニケーション能力が4だとすると、あわせて7。だから普通っぽい人の方が早く結婚する。もっと詳しく説明すると、恋愛ってことは、極端な話、言葉のキャッチボールなんだ。だと言って誰とでもキャッチボールしたい訳じゃない。最初、男性側が好みのタイプの子を見つけ、声を掛けるよね。これは相手の女性にボールを投げるのと同じ、コミュニケーション能力が
高い女性はこのボールをキャッチして投げ返すよね。大事なとこはそこなんだ。でも美人で自分の美貌に頼っている人はコミュニケーション能力が劣っている。コミュニケーション能力が劣っている人は、男性が投げたボールを受け取れない、その場合その男性はふられたことになる。その男性は、そのボールを投げるのにかなりエネルギーを使っている。そこまでして投げても受け取ってくれなければ、普通はあきらめてもう投げないと思う。
　ところが普通っぽい人でもコミュニケーション能力が優れている人は、男性が投げたボールを上手くキャッチして、また投げ返してくれる。このキャッチボールが男性側も
嬉しいんだ。リカちゃんは外見5+コミュニケーション能力5=10 だから好きになったんだ
。」「なるほど。」「よく美人は3日で飽きる。」って言うよね。それに美貌に頼っていたら、その人は歳をとったら、どうするんだろうね？「男は度胸、女は愛嬌。」とも言うよね。男性側としてはアプローチした女性が笑顔とまでいかなくても、ちゃんと相手にしてくれれば嬉しいんだ。これは僕がリカちゃんと知り合う以前、何十回とナンパしたからわかるんだ。とにかく無反応というのが一番困る。ボールを苦労して投げたのに軽くあしらって、「あっ、そう。」という感じにスルーされると、正常な人なら諦めると思うんだ。それに「喧嘩するほど仲が良い。」喧嘩するってことはお互いにコミュニケーション能力が高いから、お互いに早いボールを投げ合っているんだ。だからそんなに周囲の人が心配することは無いんだ。だから、まずコミュニケーション能力をみがく事が結婚への近道じゃないかな。その点ガッキーはコミュニケーション能力が高いから心配ないね。」「わたしもそう思う。」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく