暖かく無関心なホットする人(P君) 657話

 午後5時25分、彼は会社の帰りアパート近くのコンビニに立ち寄った。確かにコンビニ
は便利だが「コンビニ貧乏」と言う言葉があるように、毎日行くようになると必ず貧乏になる。これは大学時代に経験済みだ、だが一品だけどうしても食べたいとなると話は別だ
。その一品を買うためにスーパーのレジは通りにくい。それでつい要らないものまで買ってしまう。これでは貧乏一直線だ。で、一品だけ買うときはコンビニに行くようにしている。彼の持論では「お金は使わなければ自然に溜まる。」と言うのがある。そのせいか
彼の部屋はまるで引っ越して来たばかりのように、殺風景な部屋で、すぐ引っ越せるような物が少ない部屋だった。また彼の持論は「タフ&リーズナブル&ワイドな物を選ぶ」
だった。どういう意味かと言うと、「タフは壊れにくいもの、例えば落としても壊れない物、リーズナブルは意味の通り、経済的にお金が掛からない物(たとえばG-shockのような時計)、ワイドは大は小を兼ねるという言葉があるように、大きい物を買っておけば(洋服や靴は除いて。)料理道具の鍋などは小さい物は買わないで済む、もし小さい鍋を買ってしまうと大人数の鍋パーティーが出来なくなるので、もう一つ大きい鍋を買わなくてはいけない事になる。今は一人用でいいかも知れないが将来もっと大きい物が必要になるかも知れない。と、楽観的に物事を見ていた。」というわけで何でも食器類は大きめだった。彼の夢は持ち家の防音効果のある一軒家に、音楽好きの友達を大勢読んで、
ホームパーティー&セッションをすることだった。そんなことを夢見ながらコンビニ
に入り「ポテトサラダ」だけ買った。どういう訳かたまに食べたくなる。


                                    つづく