暖かく無関心なホットする人(P君) 576話

 午後5時15分、D君は会社の仕事が終わり、駐車場に向かう途中、リカちゃんに電話を
掛けた。「ブルルル、ディーン。」「リカちゃん、ありがとう。」「どうしたの?」
「今朝、思ったんだけど、リカちゃんって超美人だよね。」「それほどでもないけど。」
「いや、そうだって。僕がもし芸能プロダクションの人間でスカウトしていたら、必ず
スカウトしていたよ、今までスカウトされたことあるでしょ?」「そういえば中学三年生の時と高校二年生の時。」「やっぱり、で、その時はどうしたの?」「二回とも断った。私は中学二年生の時に洗礼を受けたので、芸能界には進みたくなかった。でも、その選択
は正しかったと思う。そのおかげで今こうしてディーンに会えて、本当に良かったと思っている。」「ありがとう。僕を選んでくれて。」
                                   つづく