暖かく無関心なホットする人(P君) 479話

 午後6時、D君は彼のアパートに帰って来た。部屋に入ると、牛肉、玉ねぎ、にんじん
にんにく、ピーマン、ハウスジャワカレー中辛、SBカレー粉だけ残し残りの物を冷蔵庫
に入れた。先週の週末はロクなものを食べなかったから、というより食欲がなかった。
 理由が分かった、これから一世一代の勝負の前は料理する気は出ないけど、パワーの
出る、食欲の出る「かつ丼」を食べたくなるのは。今日は料理する気もある食欲もある。
D君は彼の好きなジャガイモ抜きの辛いカレーを作ろうと思った。カレー鍋に油を引き、
牛肉を炒め、水、玉ねぎ、にんじん、にんにく、ピーマンを入れ、グツグツ煮た。
全部柔らかくなってきたので火を止め、カレールウとSBカレー粉を多めに入れた。
同時進行でご飯も炊いた。水もコップについだ。それを夕飯にした。
 午後7時、聖書を読む時間だ。今晩読むのはヨハネによる福音書12章だ。12章は蘇ったラザロが登場して、そのお祝いだろうか。ラザロの姉妹のマルタが給仕していた。と書いてあるから、ここはラザロ、マルタのべタニアの自宅ではないだろうか。そこで姉妹の
マリヤは非常に高価な、純粋なナルドの香油300gを手に取ってイエス様の足に塗った。
そのあと彼女の長い髪の毛でイエス様の足の香油をぬぐい取った。香油の香りが部屋中
に広がった記事、その翌日の過ぎ越しの祭りでイエス様がロバの子に乗って、エルサレム
に入場する記事などだった。
                                   つづく