暖かく無関心なホットする人(P君) 366話

 午後5時30分、D君は会社から真っ直ぐ帰って来た。アパートの部屋に入ると、「この
時間なら、まだ夕飯を食べていないので、今、剛君に電話しよう。」「ブルル、ブルル、
はい、竹内です。」「剛君。教会のOOです。」「あっ、OOさん、どうしました?」
「まあ、大した用事じゃないんだけど、今度の土曜日の午前中、何か用事あるかな?」
「いいえ。特にはないです。」「それは良かった。ごめんね。先週貸したCDの事なんだけど、どうだった?」「素晴らしかったです。僕は地方から東京の大学に進学したのですが、故郷の教会でも今の教会でも、礼拝にこのような賛美を取り入れていないので、
すごく新鮮でした。桜井さんが前から「渋谷ハーベストの賛美はいいよ。」と言っていた
意味が分りました。」「それは良かった。で、今度の土曜日の事なんだけど、一緒に
ミクタムCDvol.6のギターセッションしたいなと思ってね。」「それはいいですね。」
「午前9時ごろ行ってもいいかな?」「ええ、いいですよ。」「じゃ、土曜日に。」
 午後6時、今晩は牛丼にしようと思った彼は、慣れた手つきで牛丼を作った。
 午後6時30分、彼は夕飯を食べた。
 午後7時、聖書を読む時間だ。今晩読むのはルカによる福音書14章だ。14章で一番印象に残ったのは、自分を高くするものは低くされ、低くするものは高くされる、という
ところだった。
                                  つづく