暖かく無関心なホットする人(P君) 338話

 午後5時15分、D君は会社の仕事が終わり、駐車場に向かう途中、リカちゃんに電話
を掛けた。「ブルルル、ブルルル、はい、加藤です。」「リカちゃん、D太郎だけど。」
「あっ、コーチ。」「あのさ、今度の土曜日のことだけど、先週と同じ時間の待ち合わせ
でいいかな?」「いいですよ。」「それでこの間の楽器屋でキーボードを買えば、次の日
教会で使えるよ。」「そうだね。」「で、今度の日曜日だけリカちゃんは自分の車に
キーボードを載せて、教会に行けばいいと思う。」「なるほど。」
 午後6時、彼はアパートに帰って来た。部屋に入ると「昨日作ったカレーが今日は1.5倍
美味しくなっているはずだ。」と思いながら温めた。昨日炊いた硬めのご飯と合わせると
ベストマッチ。
 午後6時30分、彼はベストマッチの夕飯を食べた。食べながら「昨日より1.5倍うまい
。どうしてだろう。」と思った。
 午後7時、聖書を読む時間だ。今晩読むのはルカによる福音書7章だ。7章はカぺナウム
の百人隊長の僕の癒しの記事、やもめとなった母親の一人息子をイエス様が生き返らせる
記事、などだった。
                                   つづく