暖かく無関心なホットする人(P君) 256話

 午後5時20分、「リカちゃん、そろそろ時間だから店を出よう。」とD君が言い、彼らは洋食屋を出てJR渋谷駅に向かった。歩きながら明日のことを話した。D君は言った。
「明日、礼拝が終わったら僕一人で牧師先生のところに行って、洗礼を受けたいことを
伝えるから、リカちゃんはそのことを知らなかったふりをして。それで洗礼式が無事済んだ日曜日の、次の週の日曜日にリカちゃんと結婚したいことを、今度は二人で牧師先生に伝えるって言うのはどうかな。」「ただ私の両親に結婚の許しが出てから牧師先生に
伝えた方がいいと思う。」「そうだね。その順序でいこう。あっ、なんか緊張してきた。

 午後6時、JR渋谷駅発の電車に二人は乗った。D君は「途中まで同じ電車だね。ついに
、結婚が手に届くところまで来たような気がする。ドキドキだね。」「わたしもドキドキ
。この日が思っていたより早く来るなんて。」
                                   つづく