暖かく無関心なホットする人(P君) 251話

  11時15分、彼らはD君お気に入りのお好み焼き屋に入った。 「実は渋谷に来たかった
理由の一つに、この店のお好み焼きをリカちゃんにも食べさせたかったんだ。」「えー
そうだったんだ。」   しばらくして、お好み焼きの材料が運ばれて来た。
「この店はセルフサービスなんだけど、とにかくソースがうまい。どうしてこんなソースが出来るのかいくら食べても分からない。リカちゃんだったら料理に詳しいから分かるかも知れないね。」「それは楽しみ。」「リカちゃんの方がお好み焼きを作るのに慣れていると思うので任せるね。」「コーチは普通のお好み焼きと広島風お好み焼きと、どちらが
好みですか?」「えっ、広島風って。」「広島風はキャベツとかを、かき混ぜないで
サンドイッチみたいにして焼く方法です。」「えっ、そうなの。そんなやり方でやった事ないよ。ただ全部まぜて焼くものだと思っていた、さすがリカちゃん。」「そんな。」
「じゃあ、広島風でお願いします。」
 広島風お好み焼きが焼け、秘伝のソースが掛けられた。彼らは無言で下を向いて祈った
。「じゃ、いただきますか。」。。。。。。。。「うーん、おいしい。コーチが私に食べ
させたかったのが分かった。それはこのソースのせい。このソースは洋食屋でよく使う
デミグラスソースに何か秘伝のタレを使っているね。」「えっ、よくそこまで分かるね
。」「ええ、ソースの研究してるから。」「だからハンバーグが好きなんだね。ソース
で味が決まるよね。このあいだ、家でハンバーグ作りにチャレンジしたんだけど、普通の
ケチャップで食べたんだけど、いまいちだったな。」「それはもったいない、ハンバーグ
のソースはデミグラスソースとケチャップを混ぜれば格段に美味しくなるよ。」。。。。
「ハンバーグで思い出したんだけど、お店と家庭で作るハンバーグはソース以外に違い
があるような気がするんだけど。」「コーチも、なかなかですね。それは挽肉が違うから
です。お店のは牛肉と豚肉のミックスですが、家庭用は豚肉オンリーです。」「だからか
よく知ってるね。」
                                   つづく