暖かく無関心なホッとする人(P君)3764話

10/1(木)10:20 D君はお茶を飲みながら思っていた。(コロナ問題で皮肉なことに、
今まで何となく嫌だな、と思っていたが、なんだか原因がわからずストレスを抱えながらも
我慢して過ごしてきたことの不満が、ここにきて一気に噴き出してきたような気がする。
例えば「コロナ離婚」ということが最近よく言われる。テレワークになって、それまで日中
は会社に出勤していて不在だった夫が、一日中自宅にいる。愛し合って結婚した二人だが、
その相手と一日中顔を突き合わせているのは、誰でも苦痛らしい。「亭主元気で留守がいい
。」と言われているが、このコロナ危機でそれが実証されたようだ。人間は基本的に一人で
何でもできるようになっている。それが二人で一緒に暮らすようになるなら、どうしても
相手と妥協して生活しなければならない。なのに自己流をあらゆる点で押し通そうとする人は、他人とは一緒に暮らせない。コロナ以前だったら、短時間だから何とか我を押し殺して
妥協でき平和に暮らせたのが、ここにきて一日中なので、しかも何時までこの状態が続くかわからないので「堪忍袋の緒が切れる」ということなんだろう。わかった。どんなに親しくても人間には一人でいたい一定の時間が必要ということを。その時間は心的バッテリー充電
の時間だと思う。大抵、趣味というものは一人で黙って静かにするものだ。それは経済的にも時間的にもあってもなくても良いと思われがちだが、そうではないと思う。その時間は
心的エネルギーの充電の時間で、どうしてもその時間がないと、日常生活に不具合がおき
我慢できることもできなくなると思う。
                                     つづく