暖かく無関心なホッとする人(P君)3326話

 15:05 D君は何時ものように3時の休み時間に、自分のディスクで缶コーヒーを飲み
休んでいた。(いっけねー、大事なことを忘れてた。確か柳沢君の担当編集者はKKだった。KKに今度の日曜日に柳沢君を教会に連れていく事を、まだ伝えていなかった。
いきなり教会でKKと柳沢君が鉢合わせたら、お互いビックリなんてものじゃないだろう。)そう思ってすぐメールを送った。


    KKへ


 突然メールしてごめんね。今急に思い出したんだけど、確か新進気鋭の若手作家の
柳沢一樹君はKKが編集者だったよね。実はBNさんの紹介で今度の日曜日に一緒に
教会の礼拝に出席することになったんだ。KKが教会に行っていることは知ってると思うんだけど、KKは自分の編集者で心理的距離が近すぎるから、自分の弱みを見せたくないし、負い目を作りたくなかったんだろう。彼の気持ちはよくわかる。というわけであまり
親しくない僕に心を開いたんだろう。教会で会っても彼に「暖かく無関心に」接してもらいたい。間違っても「よく来たね。」なんて言わないでくれ。そんなこと言わなくても
自分の悩みを何とかしたかったら、また来るから心配ない。来なかったら、そんなに深刻
に悩んでないんだよ。
                                    D




                                    つづく