暖かく無関心なホッとする人(P君)3241話

 15:20 D君は思った。(KKとランナーの事はここまで来ればもう大丈夫だ。多分、
今週の土曜日の東京スカイツリーでKKは告白するだろう。それで多分、ランナーはOK
するだろう。理由はベストタイミングだし、シチュエイションも東京スカイツリー、
彼女の立場に立ってみればすぐわかると思うけど、彼女にしたら「この景色の中で告白
して。」って思っていると思う。でもそのときプロポーズしちゃダメだ。プロポーズは
言ってみればメインディッシュだから、最後にならないと出てこない。それまで恋人の
デートを楽しむんだ。彼女だって恋人としてのデートを楽しみたい。3速ギアにチェンジできた。時速30kmだ。ここからは最高。恋人として付き合ってさえいれば、もういつ
プロポーズしてもおかしくない。3速ギアは時速40kmぐらいまで出る。でギリギリまで
3速で引っ張って4速に入れる。これがプロポーズだ。ここまでくれば彼女もすんなり
受け入れてくれる。婚約成立だ。ここから結婚するまでの婚約期間が最高に幸せだと思う
。と、まあKKのことは一件落着だけど。恋愛アドバイザーとしての自分はこれから少し
物足りなくなる。ということは自分には書籍を作る出版会社人としてのパーソナリティー
の他に、クリスチャンとしてのパーソナリティー、恋愛アドバイザーのパーソナリティー
がある。もちろんクリスチャンとしてのパーソナリティーが一番大事だ。KKの事は結婚
の相談が始まりだったけど。それがきっかけで教会に来るようになり、ランナーと知り合った。教会で知り合ったから自然にメッセージを聞くようになった。このままいけば二人
ともクリスチャンになり、この教会で結婚式を挙げるだろう。きっかけは何でもいいと思う。入り口は結婚の悩みでも、その結果クリスチャンになり救われれば。僕はよく思う。
イエス様はペテロに「あなたを人間を取る漁師にしてあげよう。」と言った。漁師は釣り
をするとき釣り針の先に餌を付けて釣り針を隠す。それを見た魚はガブリと餌に食いつく
。で、釣り針に魚の顎が突き刺さり、魚がつれる。こんな単純なことだけど伝道も同じだ
。騙している訳じゃない。そうしないと魚はつれない。網の漁だって同じだ。網は隠す。
始めから「ここに釣り針や網がある。」ことを魚に教えたら魚は警戒して近寄って来ない
。人間だって同じだ。きっかけは何でもいい。「悔い改めないと地獄に落ちる。」なんて
言ったら、誰だって恐ろしくてキリスト教に近づかない。自分だってそうだった。ただ、
35歳過ぎて一人でクリスマスイブを過ごすのが嫌で嫌でしょうがなかった。そのとき
ポストに入っていた1枚のクリスマスカードが僕に近くの教会に行く勇気を与えた。
それはただ教会に行けば女性と知り合えるかもしれない。という動機だけだった。
それ以外に何もなかった。でもそれでいいと思う。それはただのきっかけだから。
その結果クリスチャンになり救われた。それはともかくKKのような人を新しく見つけ出したい。)
                                     つづく