暖かく無関心なホッとする人(P君)2849話

 午後7時30分、帰宅して夕飯を食べ終え、リーナは食卓のTVを見ながらシャーベットをかじっていた。D君もTVをぼんやり見ていた。D君は自分で言うのも変だけど、「自分は
キョンに似て、普段ボーっとしていることが多いな。」と思った。「自分はあきらかに
キャッチャータイプだ。」だからリーナが投げるどんなボールでもキャッチできるのか。
考えてみればキャッチャーというのはそんなものだ。一応サインは出すけど、構えた場所
に1cmも狂わないでボールが飛んでくるなんてことは滅多にない。キャッチャーもそんな
ことを期待していない。とんでもない所にボールが飛んできても、何も考えないで捕りに行く。それが当然のことだと思っている。もし自分の指示したところにボールが来なかったら捕らない。なんてキャッチャーがいたら、そのチームは惨敗する。D君はボーっとしてリーナの喋る言葉をよく聴いているから上手くいっていると思った。もし何か考えていたら、ボーっとなんかしてられない。家庭ではボーっとしていることは大切だな。と思った。
                                   つづく