暖かく無関心なホッとする人(P君)2736話

 午後5時55分、D君は台所にいた。慣れた手つきでカレーを作っていた。彼は思った。
「カレーは何十回と作ったから手が勝手に動いている。この時間は脳が休んでいるんだ。
仕事をしたり車を運転したりするより、全然この方が疲れない。仕事や車の運転は自分
が予期しないことの連続だ。でもこれは誰も邪魔してこない。自分のペースで出来る。
サーキット場を車で走っている訳じゃないから、道路を車で走らせるのは全然楽しくない
。もし自己中で車を走らせたら、すぐ交通事故を起こしてしまう。今まで交通事故を起こさなかったのは奇跡かもしれない。」そんなことを考えていたら、いつのまにかカレーが
出来上がりに近づいた。彼はカバンからSB食品のガラムマサラパウダーを出し、小さじ
1杯をカレー鍋に振りかけた。..........................................................🍲
「これがリーナパパの言っていた。カレーを中毒にさせる物なんだろう。」
                                    つづく