暖かく無関心なホッとする人(P君)2194話

 午後1時40分、隆一は旧道の奥にある、檜山が見たいと言っていた教会に向かう途中
聡のミニバンの一番後ろの席で街の景色を見ながら考えていた。「この軽井沢旅行は
大成功だったんだろう。すぐ左隣にはアリスちゃんがいる、彼女も嬉しそうな顔をしている。この旅では「あの時、ああしておけば良かった。ということがない。それがないということは失敗が無かったということだから、裏を返せば成功したということだろう。彼は
少しだけ物足りなかったが。これが自分に悪い癖だと思い反省した。それはマラソンと同じだと思った。マラソンで大事なことは最後に先頭でゴールインすることだ。大体優勝
する選手は最初のうちは目立たない、ちょっと後ろの方を走ってる。その方が風の抵抗を受ないから、体力を温存できる。最初から先頭集団に立つと確かに目立ってはいるけど
、そんなことはどうでもいい。デートも同じだ。どんなにドラマチックなことがあったとしても、それで結婚までいくとは限らない。最後結婚まで行く人が勝ち組だ。隆一は「
この恋愛マラソンレースはスタートしたばかりだ。今から飛ばす必要は無い。今は目立たない場所にいるけど、これでいいんだ。アリスちゃんとの次のデートの約束もできた。
これが女性と付き合うということなんだ。わかった。自分の悪い癖は、恋愛ですぐ結果を
求めることだ。恋愛ってそういうものじゃない。結婚したら相手とは恋愛できなくなる。
だから結婚に向かって走り出した今が一番恋愛できて楽しい時だろう。結婚したら、もう
今みたいにはならないだろう。そうか、今しかできないことができるから女性は恋愛に
おいて曖昧なこの時期が楽しいんだろう。それなのに結果をすぐ求める自爆男がモテない
のは当然だ。隆一は自爆男グループから出て、勝組男グループに入ったと思った。今大事
なのは、体力を温存して、アリスちゃんと付き合い続け、十分彼女に恋をさせてあげることだ。それにはちょっと引き気味なマイナス男の方がいいのかな?」と思った。


                                つづく