暖かく無関心なホッとする人(P君)1065話

 午後7時、聖書を読む時間だ。今晩読むのは創世記42章。飢饉が世界中に広がった。
エジプトには穀物がある噂を聞いたヤコブは、息子達にエジプトに行って穀物を買ってくるよう勧めた。それでベニヤミンを除いた10人の息子達は、エジプトに穀物を買いに行った。ヨセフはエジプトの穀物管理責任者だった。ヨセフが穀物を与える相手を決めていた。/////////////////////////ヨセフの兄弟たちはエジプトに来た。///////////彼らはヨセフの前で
顔を地面に付け、彼を伏し拝んだ。ヨセフは兄弟だと気が付いたが、兄弟たちはヨセフ
だとは気が付かなかった。ヨセフは彼らに対し荒々しく接した。
ヨセフ  「お前たちはどこから来たのか?」
兄弟達  「カナンの地から食糧を買いに参りました。」
ヨセフ  「お前たちは間者(敵国の様子を密かに調べる者、スパイ)だ。この国の隙
      をうかがいに来たのだろう。」
兄弟達  「いいえ、あなたさま。しもべどもは食糧を買いに来たのでございます。」
ヨセフ  「いや、お前たちは、この国の隙をうかがいにやって来たのだ。」
兄弟達  「しもべどもは12人の兄弟でカナンの地にいる一人の人の子でございます。
     末の弟は今、父と一緒にいますが、もう一人はいなくなりました。」
ヨセフ  「私が言ったとおりだ。お前たちは間者だ。このことで、お前たちを試そう。
     パロの命にかけて言うが、お前たちの末の弟がここに来ないかぎり、決して
     ここから出る事はできない。お前達の内の一人を派遣して弟を連れて来なさい
     。それまでお前達を監禁しておく。お前達に誠実があるかどうか?お前達の
     言った事を試すためだ。もしそうでなかったら、パロの命にかけて言うが、
     お前たちは、やはり間者だ。」
        こうしてヨセフは彼らを3日間、監禁所に入れておいた。////////////////////ヨセフは3日目に彼らに言った。「次のようにして生きよ。私も神を畏れる者だから。
もしお前たちが正直者なら、お前たちの兄弟の一人を監禁所に監禁しておいて、お前達
は飢えている家族に穀物を持って行くがよい。そして、お前達の末の弟を私のところに
連れて来なさい。そうすれば、お前たちの言葉が本当だということになり、お前達は死ぬ
ことはない。」それで彼らは言う通りにした。彼らは互いに言った。「ああ、われわれは
弟のことで罰を受けている。あれが我々に哀れみを請うたとき、彼の心の苦しみを見
ながら、われわれは聞き入れなかった。それで我々はこんな苦しみに遭っているのだ。」
 長男ルベン  「私はあの子に罪を犯すなと言ったではないか。それなのにお前達は
         聞き入れなかった。だから今、彼の血の報いを受けるのだ。」
その後、ヨセフは彼らの中からシメオンを取って、彼らの目の前で縛った。ヨセフは
彼らの袋に穀物を満たし、彼らの銀をめいめいの袋に返し、また道中の食糧を彼らに
与えるように命じた。彼らは穀物をロバに背負わせ、そこを去った。////////////////////////////
 宿泊所で、そのうちの一人が自分のロバに飼料をやるために袋をあけると、自分の銀
が袋の口元に置いてあった。彼は兄弟たちにその事を知らせた。兄弟たちは怖くなった。
////////////////////////////////////こうして、彼らはカナンの地にいる父ヤコブのもとに帰って道中
の出来事をすべて彼に告げて言った。「エジプトの支配者が私たちに荒々しく語り、
私たちをエジプトをうかがう間者(スパイ)にしました。そしてその支配者との会話の
最後に「~そしてお前達の末の弟を連れて来い。そうすれば、お前達が間者ではなく、
正直者だということがわかる。そうしたら私はシメオンを返そう。」彼らが袋を空にすると、めいめいの銀の包みがそれぞれの袋の中に置いてあった。彼らも父も銀の包みを見て
怖くなった。父ヤコブはヨセフ、シメオン、そして今度はベニヤミンを失うのではないかと思った。長男ルベンは父に言った。「もし私がベニヤミンをあなたの元に連れて帰らなかったら、私の二人の子を殺しても構いません。彼を私の手に任せて下さい。私はきっと
彼をあなたのもとに連れ戻します。」
                                    つづく