暖かく無関心なホッとする人(P君)1061話

 午後7時、聖書を読む時間だ。今晩読むのは創世記41章。それから2年後、パロは夢を
見た。彼はナイル川の畔に立っていた。川から肉付きの良い7頭の雌牛が上がって来て、
葦の中で草をはんでいた。その後、他の醜いやせ細った7頭の雌牛が川から上がって来て
、川岸にいる肉付きの良い雌牛の傍に立った。そして醜いやせ細った雌牛が肉付きの良い
7頭の雌牛を食い尽くした。その時、パロは目が覚めた。その後、彼は再び眠って夢を見た。パンパンに膨れた7つの穂が1本の茎から出て来た。その後、しなびた7つの穂が出て来た。しなびた7つの穂がパンパンに膨れた7つの穂を飲み込んでしまった。その時パロ
の目が覚めた。翌朝パロは昨晩見た夢が気になり、エジプト全土の呪法師と知恵者を呼んだが、その夢の意味を解き明かせる人は居なかった。その時、献酌官はヨセフと交わした約束を思い出した。彼に申し訳ない事をした、もっと早くパロに彼の事を伝えれば良かった。彼ならパロの夢を解き明かせる。ヨセフの噂を聞いたパロは、彼を地下牢から連れ出した。彼は髭を剃り、着物を着換えてから、パロの前に出た。パロはヨセフに難解な夢
の意味を解き明かしてくれるよう頼んだ。パロは夢の内容を残らずヨセフに語った。
ヨセフは神から知恵を授かっていたので、誰も解き明かせなかった夢の意味を語った。
「パロの見た2つの夢の意味は同じです。7頭の肉付きの良い雌牛も7つのパンパンに膨れた穂も7年の事です。その後の7頭のせた醜い雌牛と7つのしなびた穂は7年間の飢饉の
意味です。今すぐエジプト全土に7年間の大豊作が訪れます。その後7年間の飢饉が起り
過去の大豊作は忘れられます。ですから今すぐ聡くて知恵のある人を見つけ、エジプト
の国のナンバー2にして大豊作の7年間食料を備蓄し保管させるよう。」パロに勧めた。
この事はパロ、すべての家臣たちの心にかなった。パロはヨセフに「神がこれらすべて
の事をあなたに知らせたのであれば、あなたのように聡くて知恵あるものは他にいない。
あなたは私の家(エジプト)を治めてくれ。国民はあなたの命令に従おう。」と言った。
こうしてヨセフはエジプトの総理大臣になった。預言通り7年間の大豊作と、その後の
7年間の飢饉があった。ヨセフがエジプト王(またの名をパロと言う、パロと言うのは王の名前ではなく、役職を示す。)に仕え始めたのは30歳の時、結婚し、大豊作の7年間に食料を備蓄した。飢饉の年が来る前にマナセとエフライムと言う名の2人の男の子が授かった。
                                   つづく