暖かく無関心なホットする人(P君)824話

 午後5時30分、D君は会社から真っ直ぐアパートに帰って来た。部屋に入ると冷蔵庫
からマルちゃん焼きそば、豚肉、玉ねぎ、ピーマンを出した。玉ねぎの皮を剝きピーマン
と洗って一口大に切った。フライパンにサラダ油を引き、火で熱してから、豚肉、玉ねぎ
ピーマンを炒めた。ソースで味付け、お皿に付けた。そのフライパンに焼きそばの麺を
ほぐし、粉末ソースで味付けをし、別のお皿に付けた。水もコップに汲んだ。
 午後6時10分、彼は焼きそばを夕食にした。彼の食べ方は少し変わっていた。それは
糖尿病予防の食べ方だった。糖尿病患者は病院で、「まず野菜を食べ、(最初に野菜を
食べると血糖値の急上昇を防ぐそうだ。)、そのあと肉類のたんぱく質を食べ、最後に
パン、ご飯、麺類などの炭水化物を食べなさい。」と言われる。D君は思った。
「それなら、糖尿病になる前に、その食べ方で食べれば糖尿病にならないんじゃないだろうか。」と思い、焼きそばを食べる時にも、この順番で食べた。それなら、ご飯だけ残してしまうと、おかずは?と思うかもしれないが、彼は最後に「ふりかけ」をかけて食べるのが好きだった。


                                    つづく